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気紛れに書いた二次創作駄文を放置。女性向け。 きっと公式様とは関係ないです。
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──母様。私のいとしい母様。


ぱちりとライドウは目が覚めた。どうやら母の夢を見ていたようだ。
母様は、とライドウは過去を思い返す。
しきたりや礼儀などに厳しい人ではあったが、ライドウを一生懸命愛してくれた人であった。
けれど、ライドウがようやく十になったころ、病で床にふせってしまいそのまま生涯を終えた。
葛葉の修行は大変厳しいものである。それをやっと十になった子どもが愛していた母親なしで終えることができるだろうか。
だが、ライドウは母がいたならば、強くなれなかったと思うのである。
母がいたならば自分は甘えてしまって、もしかしたら、葛葉ライドウにはなれなかったやもしれぬと。

あぁ、母様。けれど僕はあなたに褒めてもらいたかった。おめでとうと抱き締めて欲しかった。

闇の中、少年は誰にも知られぬように、泣いた。

***
小説でそういやお母さん出てたと思って。
ライドウのお母さんは叱るときは叱る、褒めるときは褒めるっていうきっちりけじめがついたお母さんだとおもう。
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「こんにちは」
タヱ(本人は葵鳥と言い張るが)がひょっこりと、扉から頭だけを覗かせている。
「なぁに?珈琲ならカフェーだよ?」
「違うわよ。今日は差し入れを持ってき・た・の!」
鳴海のいつもの文句をすばやくかわし、タヱはずいっと今まで持っていたものを突き出す。どうやら、富士子パーラーの洋菓子のようだ。
「おっ、タヱちゃんもいいところあるじゃないの!ライドウ、悪いけど珈琲淹れてもらえる?」
「わかりました」
ライドウは今までゴウトを撫でていた手を止め、台所(といっても、とても小さなものであるが)に向かう。
「あら、残念だけど探偵さんの分はないわよ?」
「え?!酷い!!」
「だってこれは、いつも探偵さんよりも数十倍がんばっている書生さんへの差し入れですもの」
ライドウが三人分の珈琲を淹れ戻ってくると、二人がいがみあっていた。
「何を、しているんです?」
「聞いてよ、ライドウちゃん!!タヱちゃんたら俺への差し入れないって言うんだよ!」
「当たり前じゃない!!全く、ライドウくんにどれほど世話かけてるんだか!」
「・・・鳴海さん、僕の分半分あげますから。すみません、えっと・・・、」
「葵鳥よ」
「はい、葵鳥さん」

 「もう、ライドウくんは探偵さんを甘やかしすぎよ!!」 

***
 甘える鳴海。何か立場逆転してますよ。タヱちゃんはよく差し入れもって来てくれるといいな!






微エロです。鳴ライで結構ストレートな表現もしてたりしてなかったり。





「只今帰りました」
「おっ、ご苦労様。どうだった?」
ライドウは目の前の所長用椅子に座っている鳴海に手短に捜査報告をする。一通り話すと鳴海はなるほどねぇと頷き、探偵としての自らの見解を述べた。
『ほぅ、珍しい。このヱセ探偵にもこんな面があったとはな』
「ゴウト、何て言ってる?」
鳴海はライドウに尋ねるが当の本人はどちらも裏切るわけにはいかないので、ただ帽子をさらに深く被るだけだ。
「ねぇ、葛葉のひとたちってこんなのばっかりなの?」
机に置いて組んだ腕に顎をのせ、さらに頬を子どものようにぷうと膨らませながら鳴海は言った。
鳴海の言うことに苦笑しながら、ライドウは存じませんと応えた。

***
人間っぽくないって話。つくづく鳴海は子どもって表現がぴったりだなあ。


「ライドウ」
ぽつりと名前を呼ばれたライドウは今まで資料を整理していた手を止めて、呼んだ張本人の鳴海を見た。
「何ですか?」
ライドウが珈琲か何か用意をしてほしいのかと思いを巡らせていると、鳴海は静かに所長用の椅子から立ち上がり、ライドウに歩み寄った。
「痛くないの?」
鳴海はじぃっとライドウの目を見て言った。
はて、痛いとは何であろうかとライドウは考え、今は痛くないと答えると鳴海はがしがしと頭を掻いた。
「だ・か・ら!今のところ生きてて辛いことはないのって!」
「・・・特には・・・」
「本当に?」
「えぇ」
ライドウがそう言うと、鳴海は急にライドウを抱きしめた。顔は彼の肩に押し付けている。
「な、るみさん?」
まるで子どもが悪夢を見て泣き出す五秒前だと抱き付かれたライドウは思った。
「ライドウは、」
「?」
何だろうとライドウは鳴海の顔を見ようとしたが何も見えないのは当たり前のことであったが、微かに鳴海の腕が震えていることは見受けられた。
「まだ、学生だから。甘えていいんだよ?どうしてそんな、自分を押し殺してるような顔をするの?」
「押し殺してなんか、いません」
「でもたまに甘えてくれなきゃこっちが困るよ」
「いえ、一回甘えたら落ちていきそうなので」
不意に鳴海は顔を上げ、子どもらしくないと苦笑した。子どもらしいのはむしろ鳴海さんだとライドウは思っていたが。

「もう今日は奢りで富士子パーラーに連れてく!!何がなんでも!!」

***
ちょっと鳴海さんは心配だった模様。こわいんだよ、きっと。パーラーは照れ隠し。

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女子高生。(しかも女学園)
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