気紛れに書いた二次創作駄文を放置。女性向け。
きっと公式様とは関係ないです。
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ドアを静かに開ければ、カランコロンと小さく鈴が鳴った。
ナカジはいつものように店の隅の方に座る。
「ナカジさん、お久しぶりですね」
ぴょこりという効果音が似合いそうなアルビレオが真っ白な伝票とボールペンを持っていきなり出てきたので、ナカジは少しびっくりした。しかし、すぐにそれを知っていると瞬間的に認識したのでさほど驚きはしなかったが。
「相変わらずだな」
「えぇ、まあ」
常に二足歩行の猫がくすくすと笑う。
ナカジも最初は驚いた。何となく雰囲気がいいレストランにふらりと入ってみたら店員が二足歩行の猫なんて童話の中の話と似ている。けれど、そのアルビレオが普通の人間よりも人間らしいことに気がついたナカジはこのレストランに通いつめた。多い時は毎日、ということもあった。
最近はいろいろとあって(八割が極卒関連だけれど)、なかなか来れなかったのだが、今日偶然この店の前を通りかかったので久しぶりに、というわけである。
「では、ご注文は?」
「そうだな・・・」
「「オムライス」」
ナカジが見れば、アルビレオはウインクしてしてやったりと笑っている。
「だって、貴方はそれしか頼まないじゃあありませんか」
「・・・それもそうだ」
それでは少々お待ち下さいと丁寧にお辞儀するとアルビレオは暗い店の奥に消えていった。
しばらくすれば、湯気をたたせておいしそうなオムライスが猫によって運ばれた。
「いただきます」
スプーンで掬って食べれば懐かしい味。ナカジはどこのオムライスよりここのがおいしくて、こんな隠れた名店があることは誰にも教えていない。
「そういえば、」
「?」
「ナカジさん、お友達がいるそうではありませんか。しかも軍人さんで」
「・・・・・・」
「もしかして、仲があまりよろしくないのですか。まぁ、わたしが聞いたのは噂ですからね」
「いるは、いるが・・・、おかしな奴だからな」
「でも、ナカジさんのお友達なのでしょう?今度、ここに連れてきてくださいよ。精一杯おもてなしします」
にこにことアルビレオが笑う。よく見れば尻尾もふりふりと動いている。相当楽しみにしているらしい。
ナカジは、どうしても連れてこなければと思い、おいしいオムライスを前にしても、少し頭痛がした。
***
アルビレオとナカジは仲良さげだよなって。
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